暇人の研究室

金融工学やR言語・統計学について書いてます。

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【ファイナンス】企業価値とは何なのか?

 

企業の価値とは?

 

企業の価値とは何なのでしょうか?企業の価値とは、ざっくりいうとその企業を自分のものにするためにいくら払えばいいのかということです。

 

つまり企業の発行している株式をすべて購入すればいいという事なので、『企業価値=株価×発行済み株式数』と表すことが出来ます。

 

これは時価総額も意味しており、企業価値=株式時価総額ということが言えます。もちろん企業価値とはこんな単純ではなく、色々調整すべき点がありますがとりあえずこの認識で問題ないです。

 

そして、価値とは現在ではなく将来にわたって生み出される価値もあります。この将来生み出される価値の値を、現在の値に割り引くという考え方を『割引現在価値』と言います。

 

⇨ 【ファイナンス】 割引現在価値(NPV)とは? 

 

 

企業内でのプロジェクトや企業の価値を把握する上での基本的な考え方は、そのプロジェクト、または企業が将来生み出すであろう利益(キャッシュフロー)を現在の価値に割引くというものです。これが有名なDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)です。他にも企業価値についてはキャッシュフロー(現金の流れ)だけではなく、配当性向で見る方法や残余利益で見る方法もありますが、DCF法は簿記とかでも出題されますし、正確かどうかは置いといて王道の計算方法です。

 

 

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参照http://www.growin.jp/report/report02/?pa=4

 

 

DCF法による投資の判断は『現在の投資額が、将来生み出す利益を割引率rで現在価値に割り引いた数値が大きいか小さいか』で判断します。

 

つまり『現在の投資額 < その投資によって将来生み出されるキャッシュフローの割引現在価値』ならば、その投資は有効(儲かる)だと判断されます。

 

一応上の図にもあるように継続価値(ターミナルバリュー:TV)がある場合はそれも考慮します。

 

そしてここで問題になってくるのが、将来生み出されるであろうキャッシュフローの割引率をどうする設定するかです。ここがDCF法の肝であり、短所であります。

 

この割引率 r は、その投資額を調達するために掛かったコストです。つまり企業ならば企業の投資プロジェクトは銀行からお金を借りて行うので、その借入金の利子率となります。

 

そして企業価値の算定ならば、企業が将来獲得する見込みのキャッシュフローの正確性に基づいた割引率を設定します。もちろん将来の利益には不確実性とものが常に付きまといます。

 

将来入るアテのあった金が入らなかったというのは私たちだけではなく、企業にも頻繁に起こりうるのです。むしろ企業の方は自転車操業で経営しているところが大半なので一回金が詰まっただけで倒産なんてことが余裕で起こります。

 

バブル期にあった連鎖倒産などはそのいい例です。与太話はさておき、ファイナンスの世界ではこの不確実性をリスクとしています。そしてリスクが大きければ割引率は大きくなり、逆に小さければ割引率が少なくなります。この企業価値に使われる割引率を資本コストと言います。

 

【金融知識】資本コストとは何なのか?

【株価分析】 DCF法による株価の算出方法 (理論株価 その4) 

 

 

DCF法自体は企業内での投資プロジェクトの成否の判断などには一定の有用性のある評価方法だと考えますが、株式投資においては正直なところあまりあてになりません。実際の株価との連動具合でいくと残余利益モデルの方が当てはまりがいいです。

 

というのも上でチラッと述べたようにDCF法は将来生み出される利益を現在価値に割り引いてそれが投資額より大きいか小さいかで投資の是非を判断します。問題はその割引率なのです。

 

普通の設備投資ならば、割引率は銀行からの借入金の利子率などの数値で問題ないのですが、企業価値の場合は資本コストの数値を使います。この資本コストの数値設定の基準がダメなのです。

 

資本コストの設定はCAPM理論による式を使いますがCAPM理論が現実ではありえない前提のもとに定義された理論なので、現実で使うのは本来おかしいのです。(まあ他に有効そうな資本コストの定義方法がないからと仕方なく使われている状態ですが・・・)

 

というわけで、DCF法は簿記とかでも出てくるし社会に出るうえでは必須知識だけど、株式投資で使えないという感じです。